2009年06月20日

レスラー

 この映画、見たい気持ちとプロレスの試合のシーンは見たくない気持

ちとが相反していたので「気がついたら上映期間が終わっていた」とい

うことになりそうだなと思っていた。 ところが、先日リングの上で試

合中に亡くなった三沢さんの報道で、ぎりぎり上映終了日に見ることに

した。

 あまりにも痛々しかった。

 かつてはリングで華々しく活躍しお金も栄誉も歓声も独り占めしてい

た元人気プロレスラーのランディ。とっくの昔に愛想をつかせた家族は

立ち去ってしまって、今や年老いて一人で暮らすものの日々の収入もま

まならず、家賃が納められなくはトレーラーハウスからも締め出される

ほどに落ちぶれてしまう。

 それでも週末には少ない観客の前でリングに立ち、なけなしのお金を

手にする。

 老眼鏡、補聴器、杖、大写しになる老いた顔、身体、指。

 近所の子どもと触れ合うものの、時代についていけない会話。

 リングに立つためには弱りきった肘、膝に補強のテーピングをしなけ

ればもたいない。そして筋肉補強のための薬物の大量摂取。

 技でも派手に血を流すためにテープの下にかみそりを潜ませる。(対

戦相手を傷つけるのではなく自分の額から血を流すため)

 ランディは、試合後心臓発作で倒れ手術をする。それを機に離れて暮

らす娘を尋ねる。ようやくかすかながら親子のつながりが復活かと思い

きや、彼のちょっとしたミスから再び娘に拒絶されてしまう。

 自分に残されたものはリング以外に何もない。そして最後のリング

に・・・・。

 主演をしたミッキー・ロークもまた主人公と似た人生を歩んでいるだ

けに、オーバーラップするというよりもドキュメントかと見紛う。

 アメリカ映画らしく粗雑で陽気で品がない(!)が、ここまで人生の

悲哀を切り取り痛々しく描いた繊細さはどこから・・・・?と思ったら

フランスとの共同製作。フランスの感性が光っていたというべきかも。
 
posted by ほたる at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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