2009年04月21日

中国臓器市場 城山英巳著

 死刑囚が死刑執行された直後の臓器が移植に利用されているという疑

惑は以前からあった。その死刑囚臓器を移植してもらっているのが、自

国では臓器が足りないため移植を受けることの出来ない外国人。

 そして彼らを対象として臓器移植が闇のビジネスとして成り立ってい

るということを追求した本書。

 もちろん、死刑囚からの臓器移植は、たとえ誰かの命が一時的には延

びたとしても不正は不正。中国政府は国際社会の厳しい目を意識して外

国人への臓器移植を控えるように通知を出している。

 しかし、臓器を欲しがる外国人対象にこんなにいいビジネスはない。

臓器移植のコーディネーターというかブローカーというか仲介をできる

人間は、死刑を執行する裁判所関係者や移植技術のある医師にコネを持

つべく贈り物・接待をする。そうして関係を作って、海外には中国の臓

器移植技術の高さを売り込む。

 移植希望者は欧米で移植を受けるよりも格段に安いため中国での移植

を希望しているから利害は一致している。

 移植という技術の存在と移植をしか助かる道がない(助かるといって

も完璧に元に戻るわけでもないし、生存率も低かったりするので、この

あたりの言葉のまやかしがあるにもかかわらず)と言われて、移植に希

望を託す人がいるから生まれたビジネス。

 全うなビジネスならまだしも灰色ビジネスで生き延びるのも、侘しい

と思ってしまうが、そんな感情を吹き飛ばすほどの金・金・金。

 貧困、上昇志向、欲望。現代社会のひずみを見た気がした。

 
posted by ほたる at 08:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んでみたら | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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