2009年02月15日

幸福な食卓

 元教師の「父」と母と兄と私・佐和子の四人家族は毎朝必ず食卓を囲

んで食事をするのが暗黙の約束で暮らしてきた。が、3年前に父親の心

が壊れ、その後は母は別のアパート暮らしを始める。朝の食卓は3人に

なってしまう。そして今、佐和子は中学3年生。というシチュエーショ

ンで始まる。

 いかにもおだやかでなんの波風もない3人なのだけれどその父が突然

「父さんを辞める」と宣言。

 家を出ている母も日中は来て掃除と夕食の準備をしている。

 優秀だった兄は大学進学をしないで農業をしている。

 「こうあるべき家庭」とか「理想的家庭なんかないと思っているけれ

ど、そう思えるのはそこそこ年齢も重ねたから。主人公の佐和子はどう

なんだろう・・と思っていた。

 中学3年の春、転校生がやってきて、彼が佐和子の隣に座り親しくな

る。この彼がまたメッチャ、単純で面白い。そんな彼が佐和子を楽にし

ていく。

 ところが、あるシーンを見ていて「これはもしかしたら次、こういう

展開になるのかな?でも、それは重い・・・」と嫌な予感がした。と思

ったら次の場面で的中。
 
 喪失、再生、失敗、立ち直り、振り返り、前進。

 兄が佐和子に言うせりふがとってもよかった。
 
 「それくらい傷ついているんだよな」

 これまで佐和子の家族はそれぞれが出した結論を朝の食卓で伝えるだ

け。その過程で相談しあったり、結論を変えてもらうように意見を言っ

たりはしない。他の家族は示された結論をただ受け入れるだけ。でも、

一番幼い佐和子は受け入れるのに精一杯だったと思う。父のときも母の

ときも兄のことも。

 高校生になった佐和子が辛さに耐えかねて家族にぶつけた言葉に対し

て兄が言ったのがこの言葉。

 感情をぶつけられるとついついこちらも揺さぶられてとんでもない発

言をしがちだけれど、その内容でなく気持ちをすくい上げられるとこん

なにも心が落ち着いてくるのだと、再確認。
posted by ほたる at 15:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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