人が若さと美を求めるから美容整形が誕生したのか、美容整形がある
から人が美と若さを求めるようになったのか・・。
ニワトリと卵を考えてもしようがないかもしれないけれど、今のアメ
リカはどっちもどっち。
著者は、美容整形を施している医師と美容整形の患者(というより消
費者)の双方を丹念にインタビューしている。
つまるところ商売として金になる美容治療は保険の面倒な手続きもな
い。とにかく、宣伝で消費者のニーズをつかみ、様々なメニューを提供
し、継続してからだのいたるところに手を加え、メンテナンスを施すこ
とで巨利を得る。
消費者はより若く、より美しくならないといけないという強迫観念か
らとどまることを知らないように整形を繰り返す。
しわのない顔をつくるためにボトックスを顔の筋肉に注入する。笑っ
てもボトックスを入れたところは変化しない。どんなに年を重ねてもつ
るつるの肌。
ジュリア・ロバーツのような頬を作るためにフェイスリフトをする。
どの人も似たような顔つきになり、遠方からだと夫にも見分けがつかな
い。
200キロの体重を減らすために脂肪を吸引し、胃のバイパス手術を
する。でも、それでは整形は終わらない。一度伸びた皮膚はそのまま
で、一気に100キロ以上も体重が減るとたるんだ皮膚がひだを作って
たれる・・・。妖怪人間みたい。それをまた切除したり縫い縮めたり。
あるわあるわ、いろんな整形が・・・。と驚いている私は世間知らず
だった。今の日本でも美容整形は隆盛を極めているとか・・・。
著者のアレックスもインタビューし、驚き呆れるが、整形を試してみ
た。決して自分は溺れることはないだろうと確信しながら・・・・。結
果は依存症になってしまっていた。
中毒、依存症を抱える人一人ひとりは(それがアルコールであれ、ニ
コチンであれ、ギャンブル・買い物・パチンコなど何であれ)心に隙間
があり満たされず、誰かに認めてもらいたい、愛されていたい、ほめら
れたいという願望にとりつかれている。
そこから解放されない限り、何をしても満足は得られない。
欲望を刺激されっぱなしのアメリカ社会のおぞましさを垣間見ること
が出来た。
先週のいつだったか、昼のニュースを見ようとテレビのスイッチを入
れたらまだニュースの時刻には早かった。
番組はメイクアップアーティストらしき人がモデルさんの顔を作りな
がらお化粧のコツについて話していた。丁度、この本も読んでいる最中
だったのでついつい見てしまった。
モデルさんの出来上がった顔を見ながら、平日・昼前の時間帯、誰を
ターゲットに制作された番組かと考えた。
私の主観からすると相当濃い化粧だった。
料理番組をするとその日のスーパーではその料理番組で使われた食材
が飛ぶように売れるという。
ならば、このお化粧番組のあとスーパーにいくとモデルさんのような
厚化粧の人に出会えるかと期待して午後出かけてみたけれど、いつもと
変わらずナチュラルでした。
日本の美容整形もどういう売込みをしてどれくらい費用をかけさせる
のか、研究してみるのも面白いかもしれない。


